齊藤ぶどう園の歴史


1930年(昭和5年)、松林を開墾し、ぶどうの苗木を定植することから、
齊藤ぶどう園の歴史は始まりました。

ぶどうの初収穫を迎えることができたのは、5年後の1935年。

さらに3年後の1938年、ぶどう酒醸造許可をとり、ぶどう酒造りを始めました。

その後も順調にぶどう栽培とワイン造りを行なっていたのですが、時は第二次世界大戦。 

戦争のため、
1942年、私たちは陸軍軍需工場の指定を受け、醸造したワインは全量、軍へ。

造ったぶどう酒が物資として使われるのはもちろん、
ワイン醸造の過程で生まれる酒石酸がモールス信号などの機材の燃料となったそうです。

戦後は同じ町内のぶどう農家が当園にぶどうを持ち寄り、
ぶどう酒を作っていたそうです。

そして、少しずつ化学肥料や除草剤に頼らない健全な土づくりを始め、
ぶどうの栽培を目指し、努力を続けました。

現在は、生食用の品種である「デラウェア」「巨峰」「ピオーネ」だけでなく、
ワイン用の品種として、「マスカットベリーA」や「満州やまぶどう」、
ワイン用ぶどうの代表品種である「カベルネ・ソーヴィニヨン」と、
日本の気候でも元気に育つ「山葡萄」を交配した「ヤマ・ソーヴィニヨン」を栽培しています。

当時は千葉県内に数件あったワイナリー(とういうよりもぶどう酒製造所)も、
創業から80年あまり経った今では、当園だけに。
近隣のぶどう農家も離農が進みさみしい限りです。


千葉県のぶどう酒がほそぼそとですが続いてきたことは面白いことだと思いますので、
ぶどう栽培とぶどう酒の醸造を出来る限り続けていければと思っています。

決して高級ワインとは言えない自分ちの晩酌用ぶどう酒ですが、
普段使いで末永く皆さまに愛されるよう心を込めてがんばります。

大量に生産することができず、毎年数量限定での販売とはなりますが、
私たちのぶどう酒をお楽しみになってください。